近年、健康や環境への意識が高まる中で、 自然素材を使った家づくり に注目が集まっています。自然素材の家は、 無垢材・漆喰・珪藻土などの天然素材を活用し、快適で健康的な住環境を提供する 住宅です。
しかし、自然素材には メリットだけでなく、デメリットも存在 します。「自然素材の家と従来の家は何が違うのか?」「どんな自然素材が使われるのか?」「お手入れやコストはどうなのか?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、 「自然素材の家とは?メリット・デメリットや人工との違い、家づくりのポイントを解説」 というタイトルで、 自然素材の家の特徴やメリット・デメリット、素材の種類、家づくりのポイント について詳しく解説します。自然素材の家に興味がある方、これから家を建てる方にとって、 役立つ情報をわかりやすく紹介 しますので、ぜひ最後までご覧ください。
自然素材の家とは?
自然素材の家とは、 化学物質を極力排除し、木・土・石・紙・天然繊維などの自然由来の素材を活用した住宅 のことです。現代の住宅は便利さを追求するあまり、合成樹脂や化学塗料を多用し、空気中に有害物質を放出するケースも少なくありません。その一方で、自然素材の家は 住む人の健康や環境への影響を考慮し、快適で安心できる住まいを提供する ことを目的としています。
では、自然素材の家とは具体的にどのような特徴を持ち、どんなメリットがあるのでしょうか? ここでは、 自然素材の家の定義や人工素材との違い、環境や健康に与える影響 について詳しく解説します。
自然素材の家の定義とは?
自然素材の家には明確な定義はありませんが、一般的に以下のような条件を満たす住宅が「自然素材の家」として認識されています。
- 壁や床に自然素材(無垢材、漆喰、珪藻土、和紙など)を使用している
- 化学接着剤や塗料の使用を最小限に抑えている
- 自然素材ならではの調湿性や断熱性を活かした設計がされている
- 経年変化を楽しみながら、長く住み続けられる設計になっている
これらの特徴を持つ住宅は、 住む人の健康を守りつつ、環境負荷を低減する というメリットを持っています。
人工素材の家との違いは?
現代の住宅の多くは、 合成樹脂や化学塗料を使用した人工素材の家 です。人工素材は コストが安く、施工しやすい というメリットがありますが、 化学物質によるシックハウス症候群のリスクや、経年劣化による剥がれやひび割れが発生しやすい というデメリットもあります。
一方で、自然素材の家は以下のような違いがあります。
項目 | 自然素材の家 | 人工素材の家 |
素材 | 木・土・石・紙などの天然素材 | ビニールクロス・合板・新建材 |
空気環境 | シックハウスのリスクが低い | ホルムアルデヒドなどの化学物質を含む可能性あり |
調湿性 | 湿気を吸収・放出し、快適な室内環境を維持 | 調湿機能がなく、結露やカビが発生しやすい |
経年変化 | 風合いが増し、味わい深くなる | 劣化が進みやすく、メンテナンスが必要 |
メンテナンス | 傷がつきやすいが補修が簡単 | 傷がつくと修復が難しい |
このように、 自然素材の家と人工素材の家では、素材の特性や住み心地に大きな違いがある ため、自分のライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
自然素材の家が環境に与える影響
自然素材の家は、 環境に配慮したエコな住まい としても注目されています。一般的な住宅では、新建材やプラスチック製品を多く使用するため、生産や廃棄の過程で多くのエネルギーを消費し、二酸化炭素(CO₂)を排出します。
一方、自然素材の家は、以下のような環境へのメリットがあります。
- 再生可能な資源を活用できる(木材や土は持続可能な資源)
- 廃棄時に有害物質を出さない(化学素材は燃焼時に有毒ガスを発生することがある)
- 省エネルギーで快適な室温を維持できる(自然素材の断熱性や調湿性を活かすことで、冷暖房の使用を抑えられる)
これにより、 環境負荷を軽減しながら、持続可能な住まいを実現することが可能 になります。
自然素材の家が健康にもたらす影響
自然素材の家は、 住む人の健康にも良い影響を与える ことが研究で明らかになっています。例えば、無垢材には フィトンチッド という成分が含まれており、これがリラックス効果をもたらすことが分かっています。
また、漆喰や珪藻土は、空気中の ホルムアルデヒドや二酸化炭素を吸収・分解する働き を持ち、室内の空気を清潔に保つ効果があります。そのため、 アレルギー体質の人や、小さな子どもがいる家庭にとっても安心できる住まい となります。
さらに、自然素材は調湿機能を持っているため、 カビやダニの発生を防ぎ、呼吸器系のトラブルを軽減する 効果も期待できます。
自然素材の家は、人と環境に優しい住まい
自然素材の家は、 人工素材にはない快適性や健康面でのメリットを持つ住まい です。
✅ 自然素材の家の特徴
- 木・土・石・紙・天然繊維を使用
- 化学物質が少なく、空気環境が良い
- 調湿性があり、結露やカビを防ぐ
✅ 自然素材の家のメリット
- シックハウス症候群のリスクを軽減
- 経年変化を楽しめる
- 環境に優しく、エコな暮らしができる
✅ 自然素材の家のデメリット
- 初期コストが高め
- 定期的なメンテナンスが必要
このように、 自然素材の家は、長期的に見れば快適性と健康面のメリットが大きい ため、家づくりの選択肢として検討する価値が十分にあります。
自然素材を使うメリット
自然素材の家は、 健康的で快適な住環境を提供するだけでなく、環境にも優しい住宅 として注目されています。木材や漆喰、珪藻土などの自然由来の素材を活用することで、 人工建材にはない独自の機能性や魅力 を持つ住まいを実現できます。
ここでは、 自然素材を使うメリットについて、健康・機能性・安全性・快適性の観点から詳しく解説 します。
健康的な暮らしができる
シックハウス症候群のリスクが低い
現代の住宅に多く使われている合成接着剤や化学塗料は、 ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などの有害物質を放出 し、シックハウス症候群の原因となることがあります。これにより、 頭痛・めまい・アレルギー症状を引き起こすリスク が高まります。
一方、自然素材の家では、 化学物質の使用を最小限に抑え、無垢材や漆喰、珪藻土などの天然素材を活用することで、空気環境を清潔に保つことが可能 です。特に、小さな子どもやアレルギーを持つ方にとって、安全で健康的な住まいとなります。
調湿効果で快適な空間を維持
自然素材には、 湿度を自動的に調整する機能 があります。例えば、珪藻土や漆喰は、空気中の 湿気を吸収・放出する性質を持っており、室内の湿度を一定に保つ ことができます。
これにより、
✅ 梅雨の時期でも湿気がこもらず、カビやダニの発生を抑えられる
✅ 乾燥する冬には、適度な湿度を維持し、喉や肌の乾燥を防ぐ
といった効果が期待できます。
自然素材ならではの機能性
断熱性が高く、省エネ効果がある
自然素材は、熱を適度に調節する機能を持っているため、 冷暖房効率を高め、省エネにつながる というメリットがあります。
例えば、無垢材の床や壁は、 熱伝導率が低く、外気の影響を受けにくいため、冬は暖かく、夏は涼しい環境を維持 できます。これにより、 冷暖房の使用頻度を減らし、光熱費の節約にもつながります。
また、 断熱性の高い住宅は、住み心地が快適になるだけでなく、CO₂排出量を抑えることができるため、環境にも優しい という点も重要です。
消臭・抗菌作用がある
自然素材の中には、 消臭・抗菌作用を持つもの もあります。例えば、無垢材のヒノキやスギには フィトンチッド という成分が含まれており、これが 空気を清浄にし、リラックス効果をもたらす ことが知られています。
また、漆喰や珪藻土の壁は、 空気中の有害物質を吸収・分解する作用 を持ち、トイレやキッチン、ペットのいる家庭でも、 嫌な臭いを抑える効果 が期待できます。
✅ 消臭・抗菌作用のある自然素材
- ヒノキ・スギ(フィトンチッドによるリラックス効果)
- 漆喰・珪藻土(ホルムアルデヒドを吸収・分解)
- 和紙(湿気をコントロールし、カビの発生を防ぐ)
耐火性がある
漆喰や珪藻土は燃えにくい
自然素材の中には、火に強いものもあります。例えば、 漆喰や珪藻土は耐火性が高く、火災の延焼を防ぐ効果 があります。
✅ 漆喰の特徴
- 石灰を主成分とするため、不燃性が高い
- 火災時に有毒ガスを発生しない
- 室内の空気を清潔に保つ機能もある
また、無垢材も 表面が炭化することで燃え広がりにくくなる という特徴があり、住宅の耐火性向上に貢献します。
夏は涼しい・冬は暖かい家になる
自然素材の断熱効果で快適な温度を維持
自然素材の家は、 四季のある日本の気候に適しており、夏は涼しく冬は暖かい住環境を実現 できます。
✅ 夏の快適性
- 無垢材の床や壁が熱を吸収しにくく、ひんやりとした感触を維持
- 断熱性の高い素材(漆喰・珪藻土)を使用することで、冷房の効率が向上
✅ 冬の快適性
- 木材の持つ蓄熱効果で、暖房の熱を効率よく蓄える
- 床材に無垢材を使用すると、足元が冷えにくくなる
特に、日本の伝統的な 木造住宅は、高温多湿の夏に適応するための工夫が施されており、自然素材の家は日本の気候風土に最適な住宅 と言えます。
自然素材の家は、快適で健康的な暮らしを提供する
✅ 自然素材のメリットまとめ
- 健康的な空間を作れる(シックハウス症候群のリスクが低い)
- 調湿機能で湿度を快適にコントロールできる
- 断熱性が高く、省エネ効果がある
- 消臭・抗菌作用があり、空気環境を清潔に保てる
- 耐火性があり、火災時の安全性が高い
- 夏は涼しく、冬は暖かい快適な住まいになる
自然素材の家は、 単に「ナチュラルな雰囲気」だけでなく、住む人の健康や快適性、環境への配慮まで考えられた住まい です。これから家を建てる方にとって、自然素材を取り入れることは 長期的な住み心地やライフサイクルコストを考えた際に、大きなメリットをもたらす選択肢 となるでしょう。
自然素材を使うデメリット
自然素材の家には 快適性や健康面での多くのメリット がありますが、一方で 注意すべきデメリットも存在 します。特に、 コスト・メンテナンス・耐久性 などの面で、一般的な人工素材の家と比べて手間や費用がかかることがあります。
ここでは、 自然素材のデメリットについて詳しく解説 し、 どのような対策を取れば問題を軽減できるのか についても考えていきます。
コストがかかる
自然素材は一般的な建材より高価
自然素材は、 採取・加工・施工の手間がかかる ため、人工素材に比べてコストが高くなりがちです。例えば、無垢材のフローリングは、 合板フローリングに比べて2倍以上の価格 になることもあります。
✅ コストが高くなる主な要因
- 素材そのものの価格が高い(良質な無垢材や漆喰は希少)
- 施工に手間がかかる(職人の技術が必要なため人工建材より人件費がかかる)
- メンテナンスの手間が増える(長持ちさせるための定期的なケアが必要)
対策方法 – 補助金や長期的視点でのコスト削減
初期コストが高い自然素材の家ですが、 長期的に見ればランニングコストを抑えられる 可能性があります。
✅ コストを抑えるための工夫
- 補助金や減税制度を活用する(自然素材を使用したエコ住宅には、自治体の補助金が出ることがある)
- 部分的に自然素材を取り入れる(すべてを自然素材にするのではなく、使用箇所を限定する)
- ライフサイクルコストを考慮する(初期費用は高くても、メンテナンス費用を抑えられる場合がある)
お手入れが必要
無垢材や漆喰のメンテナンスが必要
自然素材は、 経年変化を楽しめる反面、適切なメンテナンスをしないと劣化が早まる という特徴があります。例えば、無垢材の床は、 表面の保護がないため、傷や汚れがつきやすい です。また、漆喰の壁は、 衝撃に弱く、ひび割れが生じることもある ため、定期的な補修が必要になります。
✅ お手入れが必要な主な自然素材
- 無垢材 → ワックスがけやオイル塗布が必要
- 漆喰 → ひび割れが発生しやすく、補修が必要
- 珪藻土 → 水分を吸収しやすく、汚れが落ちにくい
対策方法 – 正しいメンテナンス方法を知る
自然素材の家を長持ちさせるためには、 適切なメンテナンス方法を知り、定期的に手入れを行うことが重要 です。
✅ 素材ごとのメンテナンスのポイント
- 無垢材のフローリング → 汚れがついたらすぐに拭き取り、年に1~2回オイルを塗布する
- 漆喰や珪藻土の壁 → ひび割れはパテで補修し、水拭きは避ける
- 木製家具・建具 → 乾燥を防ぐため、適度に加湿する
傷が付きやすく隠しづらい
無垢材は柔らかく、傷が目立ちやすい
無垢材のフローリングや建具は、 柔らかい木材を使用しているため、傷やへこみができやすい という特徴があります。特にスギやパイン材は、足元に物を落とすと簡単に凹んでしまうことがあります。
✅ 傷がつきやすい主な自然素材
- スギ・パイン材(柔らかくへこみやすい)
- 珪藻土や漆喰の壁(衝撃に弱く、ヒビが入りやすい)
対策方法 – 傷を最小限に抑える工夫
✅ 傷がつきにくい素材を選ぶ
- 無垢材の中でも 硬い木(ナラ・ケヤキ・ヒノキ)を選ぶ
- 漆喰や珪藻土の壁には、保護用のトップコートを塗る
✅ 傷がついても補修しやすいようにする
- 無垢材の床は、 へこみをスチームアイロンで修復できる
- 漆喰の壁は、 部分的に塗り直しが可能
✅ ライフスタイルに合わせた素材選び
- 小さな子どもやペットがいる家庭 → 耐久性の高い木材(ナラ・オーク)を使用
- 傷や汚れを気にせず経年変化を楽しみたい人 → 柔らかいスギやパイン材もおすすめ
自然素材の家は手間がかかるが、それ以上の魅力がある
✅ 自然素材のデメリットまとめ
- コストが高い → 長期的に見れば省エネ効果やメンテナンス費用を抑えられる
- お手入れが必要 → 適切なメンテナンス方法を知ることで長持ちさせることが可能
- 傷がつきやすい → 適した素材選びや補修方法を知れば問題を軽減できる
自然素材の家にはデメリットもありますが、 適切なケアや工夫をすれば、快適で長持ちする住まいを実現 できます。 「メンテナンスも含めて楽しむ」という考え方ができる人には、自然素材の家は理想的な選択肢 となるでしょう。
家づくりに使われる主な自然素材
自然素材の家づくりには、 さまざまな種類の天然素材 が使用されます。それぞれの素材には、 独自の特性やメリット・デメリットがあり、適した用途が異なる ため、素材選びは家づくりにおいて非常に重要なポイントとなります。
ここでは、 代表的な自然素材とその特徴、家づくりにおける活用方法 について詳しく解説します。
漆喰(しっくい)を使用するメリット・デメリット
漆喰の特徴と機能性
漆喰(しっくい)は、 消石灰を主成分とする天然素材の塗り壁材 です。 耐火性・調湿性・抗菌性に優れた機能を持ち、昔から日本の伝統的な建築に使用されてきました。
✅ 漆喰のメリット
- 耐火性が高い(火災時に延焼を防ぐ効果がある)
- 調湿機能があり、湿気を吸収・放出する(カビ・ダニの発生を防ぐ)
- 抗菌・消臭効果がある(空気を清潔に保つ)
- 静電気が発生しにくく、ホコリが付きにくい
❌ 漆喰のデメリット
- 施工コストが高い(職人の技術が必要でDIYが難しい)
- 衝撃に弱く、ひび割れしやすい(補修が必要な場合がある)
✅ 漆喰の活用ポイント
- 壁材として使用することで、室内の空気環境を改善できる
- 耐火性を活かし、キッチンや暖炉の周辺に使用すると安心
珪藻土(けいそうど)を使用するメリット・デメリット
珪藻土の特徴と機能性
珪藻土(けいそうど)は、 微細な孔(穴)を持つ天然の鉱物質素材 であり、 高い調湿効果と消臭効果が特徴 です。漆喰と並んで、 壁材や塗り壁に多く使用 されています。
✅ 珪藻土のメリット
- 湿気を調整し、結露を防ぐ(カビやダニの発生を抑える)
- 消臭効果があり、ペットやタバコの臭いを吸収
- 自然由来の素材で、有害物質を含まないため健康に優しい
❌ 珪藻土のデメリット
- 水分を吸収しやすく、シミになりやすい
- 強い衝撃で剥がれたりひび割れが起きる可能性がある
- 施工の品質によって性能が大きく左右される
✅ 珪藻土の活用ポイント
- 湿気がこもりやすい部屋(寝室・脱衣所・玄関)に使用すると効果的
- トイレやペットのいる空間に使うと、消臭効果を実感できる
和紙を使用するメリット・デメリット
和紙の特徴と機能性
和紙は、 日本の伝統的な建材であり、障子や壁紙として広く使用されてきた素材 です。独特の風合いや質感が魅力で、 柔らかい光を通し、空間をやさしく演出 する効果があります。
✅ 和紙のメリット
- 光を適度に通し、室内を明るく柔らかい雰囲気にする
- 吸湿・放湿性に優れ、湿度を調整する
- 防音効果があり、音を和らげる
❌ 和紙のデメリット
- 破れやすく、耐久性が低い
- 水に弱いため、水回りには不向き
- 日焼けしやすく、変色する可能性がある
✅ 和紙の活用ポイント
- 障子やふすまに使用し、和の趣を感じる空間づくりに最適
- 湿気の多い部屋では、調湿機能を活かして快適な環境を実現
天然リノリウムを使用するメリット・デメリット
天然リノリウムの特徴と機能性
天然リノリウムは、 亜麻仁油・木粉・石灰石・ジュート(黄麻)などの自然素材で作られた床材 です。ヨーロッパでは、環境に優しい建材として 学校や病院の床材としても利用 されています。
✅ 天然リノリウムのメリット
- 抗菌・防カビ効果があり、衛生的
- 耐久性が高く、摩耗しにくい
- 防音効果があり、足音が響きにくい
❌ 天然リノリウムのデメリット
- 水分を吸収しやすく、汚れがつくと落としにくい
- 施工には専門技術が必要で、DIYには向かない
- 素材特有の匂いがあるため、気になる場合も
✅ 天然リノリウムの活用ポイント
- ナチュラルなデザインのインテリアに馴染みやすく、リビングの床材としておすすめ
- 子ども部屋やキッチンなど、抗菌・防カビが求められる空間に適している
無垢材を使用するメリット・デメリット
無垢材の特徴と機能性
無垢材とは、 一本の木から切り出した天然の木材 で、合板や集成材とは異なり、 木の自然な風合いや香りを楽しめる素材 です。
✅ 無垢材のメリット
- 温かみがあり、経年変化で風合いが増す
- 調湿機能があり、湿気を適度に吸収・放出する
- 断熱性が高く、足元が冷えにくい
❌ 無垢材のデメリット
- 傷がつきやすく、凹みやすい
- 乾燥によるひび割れや反りが発生することがある
- 合板フローリングに比べると価格が高い
✅ 無垢材の活用ポイント
- リビングや寝室の床材として使用すると、快適な空間を実現
- 子ども部屋や玄関に使用すれば、ナチュラルな雰囲気を演出できる
弊社では無垢材を使用した家づくりを行なっております。長年、無垢材と向き合ってきた内容をまとめた記事がこちらです。あわせてお読みください。
関連記事:
無垢材のデメリットを徹底解説後悔しないための知識と対策を紹介
自然素材の家と従来の家の違い
自然素材の家と一般的な従来の家は、 住み心地・管理の手間・コスト などの点で大きな違いがあります。自然素材の家は、 健康的で快適な住環境を提供する 一方で、 維持管理の手間や初期コストの高さ が課題となることもあります。
ここでは、 自然素材の家と従来の家の違いを3つの観点から詳しく解説 し、 どのような人に向いているのかを考えていきます。
住み心地の違い
自然素材の家は調湿性が高く、快適な空間を維持できる
自然素材の家の大きな特徴の一つは、 調湿機能によって1年中快適な室内環境を維持できる ことです。例えば、漆喰や珪藻土の壁は、湿度が高いときには 余分な水分を吸収し、乾燥しているときには放出する という特性を持っています。
✅ 住み心地の違いを比較
項目 | 自然素材の家 | 従来の家 |
調湿性 | 高い(湿度をコントロールできる) | 低い(結露や乾燥しやすい) |
空気環境 | 健康的(化学物質が少ない) | シックハウス症候群のリスクあり |
断熱性 | 高い(無垢材の効果) | 素材による(合板は熱を通しやすい) |
従来の家では、 ビニールクロスや合板フローリングが使われることが多く、湿度調整の機能がほとんどない ため、 夏は湿気がこもりやすく、冬は乾燥しやすい 傾向があります。これに対し、自然素材の家は 湿気を適度にコントロールし、結露やカビの発生を防ぐ ことで、より快適な空間を提供します。
管理の手間
自然素材は手入れが必要だが、長持ちする
自然素材の家は、 経年変化を楽しむことができる一方で、適切なメンテナンスが必要 です。例えば、無垢材の床は 定期的なオイル塗布が必要 ですが、その分 年月を経るごとに美しい風合いが増す という魅力があります。
✅ 管理のしやすさを比較
項目 | 自然素材の家 | 従来の家 |
メンテナンス | 定期的なケアが必要(オイル塗布・漆喰補修など) | ほぼ不要(合板・ビニールクロスの張替えのみ) |
耐久性 | 長持ちする(手入れをすれば50年以上) | 劣化が早い(10~20年でリフォームが必要) |
傷の修復 | 簡単(無垢材はサンドペーパーで修復可能) | 難しい(合板は張り替えが必要) |
従来の家は、 メンテナンスがほとんど不要な代わりに、経年劣化が進むと張り替えが必要になる という特徴があります。例えば、 合板フローリングは10~20年で張り替えが必要 になるのに対し、無垢材の床は 適切なケアをすれば50年以上使用できる ため、 長期的に見ればコストパフォーマンスが高い と言えます。
コスト面
初期費用は高いが、長期的にはお得になることも
自然素材の家は、 初期コストが高め ですが、 メンテナンスをしながら長く住めるため、長期的に見ればコストパフォーマンスが良い という特徴があります。
✅ コストの違いを比較
項目 | 自然素材の家 | 従来の家 |
初期費用 | 高い(無垢材・漆喰・珪藻土などの材料費がかかる) | 低い(ビニールクロス・合板などの安価な素材) |
ランニングコスト | 低い(断熱性が高く、光熱費が削減できる) | 高い(冷暖房費がかかる) |
耐用年数 | 長い(50年以上住める) | 短い(10~20年でリフォームが必要) |
従来の家は 短期間で安く建てられる というメリットがありますが、10~20年ごとに大規模なリフォームが必要になるため、 結果的に長期的なコストがかかる こともあります。
一方、自然素材の家は 初期費用が高いものの、適切なメンテナンスを行えば長持ちする ため、 長い目で見れば経済的 です。また、 断熱性や調湿性が高いため、冷暖房費を抑えられる という点もポイントです。
自然素材の家は、長期的な快適性とコストメリットが魅力
✅ 自然素材の家と従来の家の違いまとめ
項目 | 自然素材の家 | 従来の家 |
住み心地 | 調湿性が高く、1年中快適 | 湿気や乾燥の影響を受けやすい |
管理の手間 | 定期的なメンテナンスが必要 | 手間は少ないが劣化が早い |
コスト | 初期費用が高いが、長期的にはお得 | 安価に建てられるが、ランニングコストが高い |
自然素材の家は、「長期的な住み心地や資産価値を重視する人」に向いている家 です。一方で、「初期費用を抑えたい」「メンテナンスの手間をかけたくない」場合は、従来の家の方が適しているかもしれません。
家づくりを考える際には、 自分のライフスタイルに合った選択をすることが大切 です。自然素材の家のメリットとデメリットをしっかりと理解し、 将来のライフプランも考慮しながら選びましょう。
自然素材を使用した注文住宅は、今の子育て世代の方々に大変人気の家づくりです。そんな注文住宅について解説した記事をご用意しておりますので、一度お読みください。
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注文住宅のメリット・デメリットを解説!建売との違いも!【基礎知識】
有限会社ひかり不動産は夢ハウスビジネスパートナーです。
『木のひらや』をはじめ『自由設計』『郷の家』『tsumiki』『リセット住宅』を取り扱っています。
自然素材の注文住宅やリフォームのご相談はお気軽にどうぞ。

自然素材の家づくりのポイントは?
経年変化を楽しむ
自然素材の家づくりで大切なのは、経年変化を楽しむという視点を持つことです。自然素材は時間の経過とともに色や質感が変わり、それが住まいに味わいを与えてくれます。例えば、無垢材の床は新品の頃の明るさから、徐々に深みのある色合いに変化し、まるで家族の思い出が刻まれていくような感覚を味わえます。
このように、自然素材は「劣化」ではなく「変化」を楽しめることが大きな魅力です。しかし、人工素材のようにいつまでも同じ状態ではないため、変化することを前提に家づくりを進める心構えが必要です。
つまり、自然素材の家は、「新品の美しさを維持する」より、「時を重ねるほど美しくなる」住まいを目指すべきだと言えます。経年変化を家族の成長とともに楽しめる。それこそが、自然素材の家ならではの醍醐味です。
適材適所の素材を選ぶ
自然素材の家づくりで失敗しないためのコツは、「適材適所」で素材を選ぶことです。自然素材にはそれぞれ得意・不得意があるため、場所ごとに最適な素材を使い分けることで、性能もデザインも最大限に活かすことができます。
たとえば、湿気がこもりやすい水回りには、吸湿・放湿性に優れた「珪藻土」や「漆喰」がおすすめです。一方、リビングや寝室には、温かみがあり肌触りの良い「無垢材フローリング」が適しています。また、玄関など汚れやすい場所には耐久性の高い素材を選ぶと、掃除やメンテナンスが楽になります。
適材適所の素材選びを行うことで、家全体の快適性や耐久性がぐんとアップします。素材の特徴をしっかり理解し、**「どこに、どんな素材を使うべきか」**を考えることが、後悔しない自然素材の家づくりの鍵となるでしょう。
手をかけていく
自然素材の家は、**「建てたら終わり」ではなく「手をかけながら育てていく家」**です。無垢材の床には定期的なオイルメンテナンスを施したり、漆喰の壁にはひび割れ補修を行ったりと、手間はかかります。しかし、そうした手入れをする過程で、家への愛着がどんどん増していくのです。
特に自然素材は、メンテナンス次第で寿命が大きく変わります。こまめな手入れによって、50年、100年と住み継げる家に育てることができるのです。また、手をかけることで、素材本来の美しさや性能が蘇り、家族の思い出も刻まれていきます。
だからこそ、自然素材の家づくりを考えるなら、「手をかけていく覚悟」も持つべきです。手間を楽しめる人こそが、自然素材の家の本当の価値を味わえるでしょう。
自然素材を使った家によくある失敗と対策方法
お手入れで失敗
自然素材の家は、素材の特性を活かした快適な住まいが魅力ですが、「手入れ方法を誤る」ことで後悔してしまうケースも多いです。例えば、無垢材の床に水分をこぼしたまま放置し、黒ずみやシミになってしまったり、珪藻土の壁を間違えて濡れた雑巾で拭いてしまい、逆に汚れが広がってしまうことも。
自然素材は、人工素材と違って一度のミスが大きなダメージになることもあります。なぜなら、素材が「生きている」からこそ、適切なお手入れが求められるのです。お手入れを間違えると、せっかくの自然素材の魅力が台無しになるため、注意が必要です。
【対策】
- 無垢材は、濡れた場合すぐに乾拭きする
- 珪藻土や漆喰の壁は、乾いた布や専用ブラシで掃除し、水拭きはNG
- 定期的に専門業者に相談し、正しいメンテナンス方法を確認する
このように、素材ごとの正しいメンテナンスを把握しておくことが、後悔しない自然素材の家づくりにつながります。
素材の動きに驚く
自然素材の家でよくある失敗の一つが、「素材の動き(変化)を理解しておらず、驚いてしまう」ことです。無垢材は湿度によって伸び縮みするため、「反り」や「隙間」が発生することがあります。漆喰や珪藻土の壁も、乾燥や衝撃で「ひび割れ」が入ることがあります。
これらは自然素材ならではの現象であり、決して「施工ミス」ではありません。 しかし、知識がないまま家づくりを進めると、完成後に「え、こんなに動くの?」「ひび割れた!」と驚き、後悔する原因になります。
【対策】
- 事前に「自然素材は動くもの」と理解しておく
- 設計時に、無垢材の収縮や反りを考慮した施工をしてもらう
- メンテナンス性を考慮した素材選び・施工方法を選ぶ
こうした知識と対策があれば、素材の変化を楽しみながら、長く快適に住み続けることができます。むしろ、この「変化」こそが自然素材の家の魅力とも言えるでしょう。
コストアップする
自然素材の家づくりで特に多い失敗が、「思った以上にコストがかかった」というケースです。自然素材は、材料費が高いうえ、施工にも手間と技術が必要になるため、見積もりより高くなることがあるのです。
特に、無垢材・漆喰・珪藻土などは、こだわればこだわるほどコストが上がる傾向にあります。また、「せっかくなら全部自然素材で!」と範囲を広げすぎて、予算オーバーしてしまう方も多く見られます。
【対策】
- 予算内で「優先順位」をつけて自然素材を使う場所を決める(床だけ無垢材にする等)
- 最初の見積もり時に「オプション費用」をしっかり確認する
- 必要以上のグレードアップは避け、バランスよく選ぶ
自然素材の家は「全部が自然素材でなければならない」というものではありません。メリハリをつけることで、コストを抑えながら自然素材の魅力を最大限活かすことができます。
自然素材を使った家によくある失敗と対策方法
お手入れで失敗
自然素材の家は、素材の特性を活かした快適な住まいが魅力ですが、「手入れ方法を誤る」ことで後悔してしまうケースも多いです。例えば、無垢材の床に水分をこぼしたまま放置し、黒ずみやシミになってしまったり、珪藻土の壁を間違えて濡れた雑巾で拭いてしまい、逆に汚れが広がってしまうことも。
自然素材は、人工素材と違って一度のミスが大きなダメージになることもあります。なぜなら、素材が「生きている」からこそ、適切なお手入れが求められるのです。お手入れを間違えると、せっかくの自然素材の魅力が台無しになるため、注意が必要です。
【対策】
- 無垢材は、濡れた場合すぐに乾拭きする
- 珪藻土や漆喰の壁は、乾いた布や専用ブラシで掃除し、水拭きはNG
- 定期的に専門業者に相談し、正しいメンテナンス方法を確認する
このように、素材ごとの正しいメンテナンスを把握しておくことが、後悔しない自然素材の家づくりにつながります。
素材の動きに驚く
自然素材の家でよくある失敗の一つが、「素材の動き(変化)を理解しておらず、驚いてしまう」ことです。無垢材は湿度によって伸び縮みするため、「反り」や「隙間」が発生することがあります。漆喰や珪藻土の壁も、乾燥や衝撃で「ひび割れ」が入ることがあります。
これらは自然素材ならではの現象であり、決して「施工ミス」ではありません。 しかし、知識がないまま家づくりを進めると、完成後に「え、こんなに動くの?」「ひび割れた!」と驚き、後悔する原因になります。
【対策】
- 事前に「自然素材は動くもの」と理解しておく
- 設計時に、無垢材の収縮や反りを考慮した施工をしてもらう
- メンテナンス性を考慮した素材選び・施工方法を選ぶ
こうした知識と対策があれば、素材の変化を楽しみながら、長く快適に住み続けることができます。むしろ、この「変化」こそが自然素材の家の魅力とも言えるでしょう。
コストアップする
自然素材の家づくりで特に多い失敗が、「思った以上にコストがかかった」というケースです。自然素材は、材料費が高いうえ、施工にも手間と技術が必要になるため、見積もりより高くなることがあるのです。
特に、無垢材・漆喰・珪藻土などは、こだわればこだわるほどコストが上がる傾向にあります。また、「せっかくなら全部自然素材で!」と範囲を広げすぎて、予算オーバーしてしまう方も多く見られます。
【対策】
- 予算内で「優先順位」をつけて自然素材を使う場所を決める(床だけ無垢材にする等)
- 最初の見積もり時に「オプション費用」をしっかり確認する
- 必要以上のグレードアップは避け、バランスよく選ぶ
自然素材の家は「全部が自然素材でなければならない」というものではありません。メリハリをつけることで、コストを抑えながら自然素材の魅力を最大限活かすことができます。
自然素材の家に向いている人・向いていない人
自然素材の家は魅力がたくさんありますが、すべての人に合うわけではありません。メリット・デメリットを踏まえたうえで、自分の価値観やライフスタイルに合うかどうかを見極めることが大切です。
向いている人の特徴
✅ 自然素材の風合いや経年変化を楽しめる人
無垢材や漆喰は、年月とともに色合いが変わったり、質感が深まっていくのが特徴です。**「時間が経つほど味わいが増す家に住みたい」**という方にはピッタリです。
✅ こまめなメンテナンスを苦にしない人
自然素材は適切なお手入れが必要ですが、手をかけるほど愛着が湧くもの。DIYやメンテナンスが好きな方には、自然素材の家はまさに理想の住まいです。
✅ 家族の健康や空気環境を大切にしたい人
アレルギーや小さなお子様がいる家庭は、化学物質の少ない自然素材の家が安心・安全。調湿効果や消臭効果も高いため、室内の空気がきれいに保てます。
✅ 自然や環境に配慮した暮らしをしたい人
環境負荷の少ない素材で建てる家は、エコ意識の高い方にもおすすめ。自然素材の家は、サステナブルな暮らしを実現したい方に向いています。
自然素材をふんだんに活用した高性能な家も、近年人気の高い選択肢の一つです。高性能住宅にご興味のある方は、こちらの記事も一度お読みくださればと思います。
関連記事:高性能住宅の特徴とは?性能やメリット・デメリットを解説
向いていない人の特徴
❌ こまめな手入れやメンテナンスが苦手な人
「手間をかけずに楽に暮らしたい」という方には、自然素材の家は不向きかもしれません。ほったらかしにすると劣化が早くなるのも自然素材の特徴です。
❌ 新品同様の美しさを長く保ちたい人
経年変化を「劣化」と感じてしまう人には、自然素材はストレスになることも。キズや色の変化が気になる方は人工素材の方が向いています。
❌ 予算をとにかく抑えたい人
自然素材はどうしてもコストがかかります。初期費用を極力抑えたい人やローコスト住宅を目指す方には、負担が大きくなる可能性があります。
まとめ
自然素材の魅力と注意点を再確認
自然素材の家は、見た目の美しさや肌触りの良さ、そして何よりも健康的で快適な住環境をつくれる魅力的な住まいです。時間とともに味わいが増し、「家と共に生きる」感覚を楽しめるのが最大の特徴と言えるでしょう。
一方で、コストの高さやメンテナンスの手間、経年変化への理解不足による後悔といったデメリットもあります。
そのため、「自然素材にする目的」や「自分たちの暮らし方」をしっかり見つめた上で検討することが大切です。
✅ 自然素材の家が向いているのは…
- 家族の健康を重視したい
- メンテナンスを楽しめる
- 経年変化を味わいたい
- 環境に配慮した暮らしをしたい人
✅ 向いていないのは…
- メンテナンスの手間をかけたくない
- 新品の美しさをずっと保ちたい
- 予算をとにかく抑えたい人
最後に、自然素材の家は「素材の特性」を知り、「適材適所」で活用することが成功のカギです。
正しい知識を持ち、後悔しない家づくりを目指しましょう!
有限会社ひかり不動産は、埼玉県美里町を中心に本庄市や児玉郡内の不動産の取り扱いと住宅建築を手掛ける創業50余年の地域密着企業です。土地や空家の買取りもお任せください。
住宅建築では、自然素材をふんだんに使用した注文住宅やリフォームを手掛けています。


投稿者プロフィール

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有限会社ひかり不動産 代表取締役
宅地建物取引士 二級建築士
埼玉県美里町に生まれ育ち
1987年~1990年:住宅建築・不動産会社勤務
1990年~:有限会社ひかり不動産
2000年~現在:有限会社ひかり不動産 代表取締役
不動産・住宅建築業界一筋で業界歴35年超のベテラン
長年の経験と今まで培ってきた事 そして、こだわりのある
「自然素材の家づくり」について皆様にお伝えします
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