注文住宅は、自分の理想を形にできる魅力的な住まいの選択肢ですが、その分、コストや手間がかかることも事実です。建売住宅と比べてどのような違いがあり、どんなメリット・デメリットがあるのか、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか?
本記事では、「注文住宅のメリット・デメリットを解説!建売との違いも!【基礎知識】」というタイトルで、注文住宅の魅力や注意点について詳しく解説します。注文住宅を検討する際に役立つポイントをわかりやすくまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
1. そもそも注文住宅とは?
注文住宅の基本的な定義と特徴
注文住宅とは、施主(家を建てる人)が土地選びから設計、建築仕様に至るまで自由に決められる住宅のことを指します。建売住宅とは異なり、すでに完成した状態で販売されるのではなく、施主の希望に基づいて一から設計・建築が進められます。
注文住宅の最大の特徴は、「自由度の高さ」です。間取り、デザイン、使用する建材、設備の種類まで、施主の要望に応じて柔軟にカスタマイズできます。また、耐震性や断熱性能など、安全性や快適性に関わる要素も自分で選択可能です。
一方で、注文住宅には設計や施工に時間がかかるという特徴もあります。設計段階では、理想の家づくりを実現するために、細部にまでこだわることができる一方、決定事項が多いために時間を要することが一般的です。さらに、建築費用も建売住宅より高額になりがちですが、その分、唯一無二の理想の住まいを手に入れられるという点で、多くの人に選ばれています。
注文住宅を検討する際には、「どのような家を建てたいのか」「どこに住みたいのか」「どの程度の予算をかけられるのか」を明確にすることが重要です。これらの点をしっかりと計画し、ハウスメーカーや工務店と相談しながら進めることで、満足度の高い住宅を実現できます。
注文住宅について、こちらの記事でも解説しておりますので合わせてお読みください。
関連記事:注文住宅とは?分譲住宅との違い、注文住宅品質の分譲住宅などを解説
建売住宅との違いについて
注文住宅と建売住宅の大きな違いは、「自由度」と「価格」、そして「入居までの期間」です。
自由度の違い
注文住宅は施主が間取りやデザイン、設備などを自由に決められるため、自分好みの家を実現しやすいです。一方、建売住宅はすでに設計・施工された状態で販売されるため、変更できる部分は限られます。
例えば、「リビングを広くしたい」「キッチンをアイランド型にしたい」「収納スペースを多めに確保したい」といった細かい要望は、注文住宅なら実現可能ですが、建売住宅では対応が難しいことがほとんどです。そのため、「家づくりにこだわりたい」という人にとっては、注文住宅の方が適しています。
価格の違い
一般的に、建売住宅の方が注文住宅よりもコストを抑えやすいです。これは、建売住宅が大量発注によるコスト削減や、規格化された設計によって建築費を抑えているためです。また、販売価格が決まっているため、購入時の総費用が明確であり、住宅ローンの計画も立てやすいというメリットがあります。
一方で、注文住宅は、使用する建材や設備のグレード、設計のこだわり度合いによって価格が変動します。予算オーバーしないようにするためには、最初にしっかりと資金計画を立てることが重要です。また、ハウスメーカーや工務店によってもコストが異なるため、複数社を比較検討することが求められます。
入居までの期間の違い
建売住宅は、すでに完成した状態で販売されるため、契約後すぐに入居できるのが大きなメリットです。住宅ローンの審査が通れば、数週間から1〜2ヶ月ほどで引っ越しが可能になります。
一方、注文住宅は、土地探しや設計、建築などに時間がかかります。特に、土地から探す場合は、希望するエリアに適した土地を見つけるまでに時間がかかることもあります。設計にも数ヶ月、建築にはさらに4〜6ヶ月程度かかるため、完成までに1年以上かかることも珍しくありません。そのため、「すぐに入居したい」という人にとっては、建売住宅の方が向いていると言えるでしょう。
どちらを選ぶべきか?
注文住宅と建売住宅、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分のライフスタイルや価値観、予算に応じて最適な選択をすることが重要です。
- 注文住宅が向いている人
- 理想の家を一から作りたい
- デザインや間取りにこだわりがある
- 時間をかけて納得のいく家づくりをしたい
- 多少費用がかかっても、満足度の高い家を建てたい
- 建売住宅が向いている人
- すぐに入居したい
- 価格を抑えたい、予算が限られている
- 家づくりにあまり時間をかけたくない
- すでに完成した住宅を見てから購入したい
注文住宅と建売住宅は、どちらが優れているというわけではなく、それぞれのニーズに応じて選ぶべきものです。住宅購入は人生の中でも大きな決断のひとつ。自分や家族の将来を見据え、慎重に選択しましょう。
2. 注文住宅のメリット①土地からこだわることが出来る!
好きなエリア・環境を選べる
家を建てる際に、どのエリアに住むかは非常に重要なポイントです。注文住宅では、建築する土地を自由に選べるため、自分や家族のライフスタイルに最適な環境を見つけることが可能です。
例えば、通勤や通学のしやすさを重視する場合は、駅に近い土地を選ぶことで、毎日の移動時間を短縮できます。一方で、子育て世代であれば、公園や学校が近くにある住宅地を選ぶことで、子どもがのびのびと成長できる環境を整えることができます。さらに、自然豊かな郊外に住みたい人にとっても、注文住宅なら理想の土地を選び、景観や周囲の環境を考慮した家づくりが可能です。
また、日当たりや風通しの良い土地を選ぶことで、家の快適性も大きく向上します。建売住宅では、すでに決められた土地に建物が建てられるため、日当たりの良い南向きの家を選べるとは限りません。しかし、注文住宅であれば、土地選びの段階から日照条件や周囲の建物の配置を考慮し、最適な住環境を整えることができます。
このように、注文住宅では自分の価値観やライフスタイルに合ったエリアを選ぶことができ、快適な暮らしを実現する大きなメリットがあります。
土地の形状や条件に合わせた家づくりが可能
土地の形状は家の設計に大きな影響を与えます。一般的に、整形地(四角い形の土地)の方が家を建てやすいと言われていますが、注文住宅なら、不整形地や狭小地であっても、その特性を活かした設計が可能です。
例えば、三角形の土地やL字型の土地であっても、設計の工夫次第で快適な住まいを実現できます。狭小地であれば、縦に空間を活用することで、開放感のある家を作ることができますし、変形地では、デッドスペースを最小限に抑えるような設計をすることで、無駄のない間取りを実現できます。
さらに、土地の高低差を活かした設計も可能です。例えば、傾斜地ではスキップフロアを取り入れることで、空間に変化をつけ、個性的な住まいを実現することができます。また、地下室を設けることで、趣味の部屋や収納スペースを確保することも可能です。
また、注文住宅なら、地盤の状態に応じた基礎工事を行うことができるため、耐震性の高い住宅を建てることができます。地盤が弱いエリアでは、地盤改良工事を行い、建物の安全性を確保することも重要です。建売住宅では、すでに建物が完成しているため、地盤の状況を十分に確認することが難しいですが、注文住宅なら、自分でしっかりと地盤調査を行い、必要な対策を講じることができます。
このように、注文住宅では、土地の形状や条件に応じた最適な設計が可能となり、理想の住まいを実現する自由度が大きく広がります。
3. 注文住宅のメリット②ハウスメーカーもお好きなところで
大手メーカー・工務店・設計事務所の選択肢
注文住宅の魅力の一つは、施工を依頼する会社を自由に選べることです。建売住宅の場合は、すでに決められた業者が建築を担当するため、施工会社の選択肢はありません。しかし、注文住宅では、大手ハウスメーカー、地元の工務店、設計事務所など、自分の希望や予算に合った業者を選択できます。
大手ハウスメーカーの特徴
大手ハウスメーカーは、全国規模で住宅を供給しており、品質管理の基準が高いのが特徴です。工場でのプレカットやパネル生産を活用し、高精度な施工を行うことができます。また、保証やアフターサービスが充実しているため、長期間にわたって安心して暮らせるメリットがあります。
ただし、大手メーカーはブランド力がある分、建築費用が高めになる傾向があります。また、ある程度規格化されたプランを採用することが多く、自由設計の範囲が限られる場合もあります。そのため、完全にオリジナルの家を建てたい場合は、細かいカスタマイズが可能かどうか事前に確認することが重要です。
地元の工務店の特徴
地元の工務店は、地域に根ざした家づくりを行っており、細かい要望に柔軟に対応できるのが魅力です。施主の希望を細かく聞き取りながら、一つひとつ丁寧に設計・施工を行うため、オリジナリティの高い住宅を建てることができます。また、土地の特性や気候条件に詳しいため、地域に適した家づくりが可能です。
さらに、工務店は中間マージンが発生しないため、大手ハウスメーカーよりもコストを抑えられることが多いです。しかし、工務店によって施工技術やデザインのセンスが異なるため、事前に施工事例を確認し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
設計事務所の特徴
設計事務所に依頼すると、建築家が施主の希望に沿ったオーダーメイドの住宅を設計してくれます。個性的なデザインや独創的な間取りを実現したい場合は、設計事務所を利用するのが良いでしょう。また、細部までこだわった家づくりができるため、他にはない唯一無二の住まいを手に入れることが可能です。
ただし、設計事務所は設計料が発生するため、トータルコストが高くなる傾向があります。また、設計と施工を別の業者が担当するケースが多いため、スムーズな進行のためには施工会社との連携が重要になります。
施工会社によるコスト・デザインの違い
注文住宅では、依頼する施工会社によって建築コストやデザインの自由度が大きく異なります。そのため、どの施工会社を選ぶかによって、最終的な住宅の仕上がりが大きく変わることを理解しておく必要があります。
コストの違い
施工会社によって、坪単価や建材の仕入れ価格が異なります。例えば、大手ハウスメーカーは品質管理が徹底されており、一定の基準をクリアした建材を使用するため、価格が高めに設定されています。一方、地元の工務店は中間マージンを抑えた価格設定が可能な場合が多く、コストパフォーマンスの高い家づくりができます。
また、施工会社によって標準仕様が異なり、一見すると安価に見えるプランでも、オプションを追加することで最終的な価格が大幅に上がることもあります。そのため、契約前に見積もりを詳細に確認し、総費用を把握しておくことが重要です。
デザインの違い
施工会社ごとに得意とするデザインテイストが異なります。大手ハウスメーカーはモダンなデザインやシンプルな間取りを得意とするケースが多いですが、工務店や設計事務所では、和風やナチュラルテイストの住宅も柔軟に対応できます。
また、工務店や設計事務所では、建材や仕上げの細かい部分まで施主の希望を反映しやすいため、オリジナリティのある家づくりが可能です。逆に、大手メーカーの規格住宅では、デザインの選択肢が限られることがあるため、細かいこだわりを持つ人には向いていない場合もあります。
注文住宅を成功させるためには、自分の理想とする住宅のイメージを明確にし、それに合った施工会社を選ぶことが不可欠です。複数の業者と相談しながら、自分に最適な家づくりのパートナーを見つけましょう。
4. 注文住宅のメリット③ライフスタイルに合わせた間取りの実現
家族構成やライフスタイルに最適なレイアウト
家は長く暮らす場所であり、家族の成長やライフスタイルの変化に合わせた間取りが求められます。注文住宅なら、家族構成や生活習慣に応じて、理想的なレイアウトを実現することが可能です。
例えば、小さな子どもがいる家庭では、リビングを広くして遊び場を確保したり、オープンキッチンにして親が料理をしながら子どもの様子を見守れるような設計にすることができます。また、共働き世帯なら、家事動線を重視した間取りを考えることで、日々の負担を軽減できます。洗濯機から物干しスペースまでの距離を短くする、回遊動線を取り入れるなど、細かい工夫が可能です。
また、テレワークが増えている現代では、仕事に集中できる書斎やワークスペースの確保が重要になっています。注文住宅なら、防音性の高い個室を設けたり、家族との適度な距離感を保てる配置にすることも可能です。
さらに、老後を見据えたバリアフリー設計も考慮できます。階段の勾配を緩やかにする、1階に寝室を設ける、トイレや浴室のスペースを広く取るなど、将来的なライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる点が注文住宅の大きなメリットです。
将来的なリフォームのしやすさ
家は一度建てたら終わりではなく、家族の成長やライフスタイルの変化に応じてリフォームが必要になることもあります。注文住宅なら、将来的なリフォームを見越した設計が可能であり、後々の負担を軽減することができます。
例えば、子どもが成長して独立した後に、使わなくなった子ども部屋を趣味の部屋や書斎に変更することを想定し、可変性のある間取りにすることができます。壁を設けずに最初から可動式の仕切りを採用すれば、ライフステージに応じて空間の使い方を柔軟に変えることが可能です。
また、将来的に親との同居を考えている場合は、二世帯住宅にリフォームしやすい設計にするのも良い選択です。例えば、水回りを2か所設ける、玄関を2つにする、将来的に仕切れるような間取りにするなど、初めから計画的に設計しておくことで、リフォーム時のコストや負担を抑えられます。
さらに、長く快適に住み続けるためには、耐震性や断熱性の向上を目的としたリフォームが必要になることもあります。注文住宅なら、あらかじめ高断熱・高気密仕様にしておくことで、将来的なリフォームの必要性を減らすことができます。また、構造にゆとりを持たせることで、大規模な間取り変更にも対応しやすくなります。
このように、注文住宅なら、現在のライフスタイルに合った間取りを実現できるだけでなく、将来の変化にも柔軟に対応できる設計が可能です。長期的な視点で計画を立てることで、より快適な住まいを維持することができます。
5. 注文住宅のメリット④デザインや建築仕様だって希望通りに
外観・内装のデザインの自由度
注文住宅の最大の魅力の一つは、外観や内装のデザインを自由に決められることです。建売住宅では、すでに決められたデザインの中から選ぶ形になりますが、注文住宅なら、自分の理想を細部まで反映させることができます。
例えば、外観デザインでは、モダンスタイル、和風、北欧風、インダストリアルデザインなど、好きなテイストを選択可能です。また、外壁の素材も、タイル張りや塗り壁、木目調など、自分好みにカスタマイズできます。さらに、屋根の形状や玄関周りのデザインにこだわることで、唯一無二の外観を実現できます。
内装に関しても、注文住宅なら自由度が高いため、自分のライフスタイルに合ったデザインを取り入れることができます。例えば、ナチュラルな雰囲気を演出するために無垢材のフローリングを採用したり、ホテルライクな空間を目指して大理石調の床材を選んだりすることも可能です。また、壁紙のデザインや照明の配置も自由に決めることができるため、個性を存分に表現できます。
注文住宅では、家具やインテリアと調和するデザインを事前に考慮することで、統一感のある空間を作りやすいのもメリットの一つです。例えば、造作家具を取り入れることで、既製品にはないオリジナルの収納スペースを作ることができ、デザイン性と機能性を両立させることができます。
断熱性能や設備のカスタマイズが可能
デザインだけでなく、注文住宅では建築仕様も自由に選択できるため、住み心地の良さを追求することができます。その中でも特に重要なのが、断熱性能と住宅設備の選択です。
また、素材面でも近年健康意識の高まりから自然素材を使った家づくりが人気です。そんな自然素材の家などについて解説した記事をご紹介しますので、こちらもお読みください。
関連記事:自然素材の家とは?メリット・デメリットや人工との違い、家づくりのポイントを解説
断熱性能の向上で快適な住環境を実現
断熱性能は、住宅の快適性や光熱費に大きく影響を与えます。注文住宅では、高気密・高断熱仕様を選ぶことで、夏は涼しく、冬は暖かい住まいを実現できます。
例えば、窓の断熱性能を向上させるために、ペアガラスやトリプルガラスを採用することで、室内の温度を一定に保つことが可能です。また、断熱材の種類や施工方法を選ぶことで、さらに快適な環境を作ることができます。セルロースファイバーや発泡ウレタンなどの高性能な断熱材を使用すれば、冷暖房効率を高め、省エネ効果も期待できます。
さらに、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準を満たすように設計すれば、太陽光発電や蓄電池システムを組み合わせることで、エネルギーコストを大幅に削減できます。注文住宅なら、これらの最新技術を導入し、将来的なランニングコストの削減を見据えた設計が可能です。
性能の良い高性能住宅については、こちらの記事をご参考くださればと思います。
関連記事:高性能住宅の特徴とは?性能やメリット・デメリットを解説
住宅設備のカスタマイズで利便性向上
注文住宅では、キッチン、バスルーム、トイレなどの住宅設備も自由に選ぶことができます。特に、キッチンは毎日使う場所なので、使い勝手の良い仕様にカスタマイズすることが重要です。例えば、アイランドキッチンを採用することで、家族とのコミュニケーションが取りやすくなり、開放感のある空間を作ることができます。また、食洗機やIHクッキングヒーター、タッチレス水栓などの最新設備を導入することで、家事の負担を軽減できます。
バスルームに関しても、浴室乾燥機やミストサウナ機能を追加することで、より快適な入浴環境を整えることができます。また、トイレには節水型や自動洗浄機能付きのものを選ぶことで、メンテナンスの手間を減らしながら、衛生的な空間を維持できます。
さらに、注文住宅なら、収納スペースも自分の生活スタイルに合わせて設計可能です。例えば、玄関に土間収納を設けることで、アウトドア用品やベビーカーなどをスッキリ収納できるスペースを確保できます。また、ウォークインクローゼットを採用することで、衣類や荷物を整理しやすくなり、暮らしやすさが向上します。
注文住宅では、外観や内装のデザインだけでなく、断熱性能や住宅設備の選択肢も広がるため、自分のこだわりを反映した快適な住まいを実現できます。理想の住まいを形にするために、デザイン性と機能性のバランスを考えながら、最適な仕様を選びましょう。
有限会社ひかり不動産は夢ハウスビジネスパートナーです。
『木のひらや』をはじめ『自由設計』『郷の家』『tsumiki』『リセット住宅』を取り扱っています。
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6. 注文住宅のメリット⑤建築現場・建築過程が確認でき安心
建築途中での品質チェックができる
注文住宅の大きな利点の一つは、建築過程を施主自身が確認できることです。建売住宅の場合、完成した状態で販売されるため、建築途中の品質をチェックすることはできません。しかし、注文住宅なら、基礎工事から仕上げ工事までの各工程を確認できるため、施工ミスや手抜き工事を防ぐことができます。
例えば、基礎工事の段階では、地盤の状態やコンクリートの施工状況をチェックできます。地盤が弱いと、建物の沈下やひび割れの原因になるため、地盤改良工事が適切に行われているかを確認することが重要です。また、木造住宅の場合、上棟時に柱や梁の構造が適切に組まれているかをチェックできるため、建物の強度を自分の目で確かめることができます。
さらに、断熱材や配管・配線の施工状況を確認できるのも注文住宅のメリットです。壁を仕上げてしまうと見えなくなる部分も、工事中ならしっかり確認できるため、不安を解消できます。例えば、断熱材がきちんと隙間なく施工されているか、給排水管の配置が適切かなどを現場で確認し、必要であれば修正を依頼することが可能です。
建築途中のチェックを行うことで、完成後の品質に対する信頼感が高まり、長く快適に住める家を手に入れることができます。
施工の透明性が高く、トラブル防止につながる
建築現場を見学できることは、単に品質チェックのためだけでなく、施工の透明性を確保し、トラブルを未然に防ぐためにも重要です。注文住宅では、施主が定期的に現場を訪れることで、工事が予定通りに進んでいるかを確認でき、疑問や不安があればその場で施工業者に相談できます。
例えば、設計図と実際の施工に違いがある場合、早い段階で気づくことができるため、修正が可能です。「コンセントの位置が思っていたのと違う」「窓の高さが少し低い」といった細かい部分も、完成後では修正が難しいですが、施工途中であれば調整がしやすくなります。
また、工事の進捗状況を把握することで、引き渡しまでのスケジュール管理もスムーズに行えます。建売住宅では、引き渡しまでの期間が短いため、万が一のトラブルがあっても修正の時間が限られますが、注文住宅なら余裕を持って確認できるため、納得のいく仕上がりを実現しやすくなります。
さらに、現場の職人とのコミュニケーションが取れるのもメリットの一つです。工事の途中で「ここに棚を追加したい」「照明のスイッチを変更したい」といった要望が出てきた場合も、早めに相談すれば対応してもらえる可能性があります。施主が現場に足を運ぶことで、職人の仕事ぶりを直接確認でき、安心して任せられる環境を作ることができます。
このように、注文住宅では建築過程をしっかり確認できるため、施工の透明性が高まり、品質の確保やトラブル防止につながります。納得のいく家づくりを実現するために、定期的に現場を訪れ、施工状況を確認することが大切です。
7. 注文住宅のデメリット①入居まで時間がかかる
計画・設計・施工の流れと所要期間
注文住宅は、建売住宅に比べて入居までの期間が長くなるのが一般的です。その理由は、土地探しから設計、施工に至るまで、多くのプロセスを経る必要があるからです。
まず、土地探しには平均して3か月から半年ほどかかることが多いです。希望のエリアに適した土地がすぐに見つかるとは限らず、条件に合う物件を探すのに時間を要することもあります。また、土地が見つかっても、地盤調査や造成工事が必要な場合は、さらに時間がかかることになります。
次に、設計段階では、施主の希望に沿った間取りやデザインを決めるために打ち合わせを重ねます。標準的な設計期間は2〜3か月ですが、こだわりの多い家を建てる場合は、設計だけで半年以上かかることもあります。特に、ハウスメーカーや工務店によっては、設計の自由度が高い分、施主の意見を反映させるために時間がかかることがあります。
施工期間については、一般的に4〜6か月ほど必要になります。建物の規模や仕様によっては、それ以上の期間を要する場合もあります。例えば、特殊な構造の住宅や、こだわりの詰まった注文住宅では、工期が長くなることがあります。また、天候の影響や資材の調達状況によっても工期が遅れる可能性があるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
このように、注文住宅は計画・設計・施工のすべてのプロセスにおいて時間がかかるため、早めに準備を進めることが求められます。
そんな土地探しをスムージに進めるため、あらかじめ土地探しのコツを知っておきましょう。
関連記事:土地探しのコツ理想の土地を見極める10のチェックポイント
入居までのスケジュール管理の重要性
注文住宅を成功させるためには、スケジュール管理が非常に重要です。建売住宅であれば、購入後すぐに入居できるケースも多いですが、注文住宅では細かい工程が多いため、計画的に進めなければなりません。
特に、入居予定日が決まっている場合は、逆算してスケジュールを組む必要があります。例えば、現在の住居の賃貸契約が終了するタイミングに合わせて注文住宅を完成させる場合、工期の遅れが発生すると、一時的に仮住まいが必要になる可能性があります。仮住まいの費用や引っ越しの手間を考慮し、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
また、注文住宅では、施主自身が決定しなければならない事項が多いため、スムーズに決断できるかどうかもスケジュールに影響します。例えば、間取りや設備の選定に時間がかかると、その分、工事の着工が遅れることになります。そのため、事前にどのような家を建てたいのかを明確にし、優先順位を決めておくことが重要です。
さらに、建築許可や融資の手続きにも時間がかかる場合があります。特に、住宅ローンの審査や契約には一定の期間が必要となるため、早めに金融機関と相談し、スムーズに手続きを進める準備をしておくことが望ましいです。
このように、注文住宅はスケジュール管理が成功のカギを握ります。計画的に進めることで、スムーズな家づくりが実現し、理想の住まいを手に入れることができます。
8. 注文住宅のデメリット②完成まで仕上がりが分からない
設計図と実際の仕上がりのギャップ
注文住宅の魅力は、自分の理想通りの家を建てられることですが、その一方で「完成するまで仕上がりが分からない」というデメリットがあります。設計段階では、間取り図や3Dパースを見ながら家の完成形をイメージしますが、実際に建ててみると「思っていたのと違う」と感じることも少なくありません。
例えば、リビングの広さについて「設計図では十分に広いと思っていたが、実際に住んでみると狭く感じる」「窓の位置を決めたときは良かったが、実際に日差しの入り方を見たらもう少し調整すべきだった」といったケースが挙げられます。また、壁紙やフローリングの色も、サンプルで見たときと実際の空間での見え方が異なることがあり、「思ったよりも暗い」「雰囲気が違う」といったギャップが生じることもあります。
このような問題を防ぐためには、できるだけ実物に近い環境で確認することが重要です。たとえば、モデルハウスやショールームで実際の建材や設備を確認することで、よりリアルなイメージを持つことができます。また、照明の当たり方によって色の見え方が変わるため、異なる時間帯にチェックすることも有効です。
さらに、設計の段階で細かい部分までしっかりと打ち合わせを行い、不安な点を解消しておくことが重要です。施工中も現場を訪れ、図面通りに工事が進んでいるかを確認することで、完成後のギャップを最小限に抑えることができます。
モデルハウスやVRシミュレーションの活用
近年では、注文住宅の完成イメージをより具体的に把握するために、モデルハウスの見学やVR(バーチャルリアリティ)シミュレーションの活用が増えています。
モデルハウスで実物を確認
モデルハウスでは、実際に建てられた住宅を見学できるため、空間の広さや建材の質感、設備の使い勝手をリアルに体験できます。例えば、「リビングの天井高をどのくらいにするか」「キッチンの高さはどれが使いやすいか」といった点を、実際に見て・触れて確認できるのが大きなメリットです。
ただし、モデルハウスは標準仕様ではなくオプションが多数追加されていることが多いため、自分の予算内でどこまで再現できるのかを確認することが重要です。また、モデルハウスの間取りがそのまま自分の土地に適用できるとは限らないため、「自分の敷地に置き換えたときのイメージ」を意識しながら見学することが大切です。
VRシミュレーションでよりリアルな体験を
最近では、VR技術を活用して、完成前の家の内部をバーチャル空間で体験できるシステムも登場しています。VRシミュレーションを使えば、設計図や3Dパースでは分かりにくい空間の広がりや動線を、実際に歩いているような感覚で確認できます。
例えば、キッチンからリビングへの視線の抜け感や、廊下の幅の快適さなど、図面だけでは判断しづらいポイントを事前にチェックできます。また、家具の配置や収納スペースの使い勝手もシミュレーションできるため、実際に暮らすイメージを明確に持つことができます。
VRシミュレーションは、設計の最終段階で活用することで「思っていたのと違う」という後悔を減らし、より満足度の高い住まいを実現するのに役立ちます。
注文住宅は、自由度が高い反面、完成するまで仕上がりが分からないという不安要素があります。しかし、モデルハウスの見学やVRシミュレーションを活用し、細かい部分まで設計段階で確認することで、理想の家に近づけることが可能です。事前にしっかりと準備をして、後悔のない家づくりを目指しましょう。
9. 注文住宅のデメリット③コストが高い
建築費用の内訳とコストアップの要因
注文住宅は、自由に設計できる反面、建築費用が高くなりやすいのが大きなデメリットです。建売住宅では、ある程度コストを抑えるために規格化された間取りや設備が採用されますが、注文住宅では細部までこだわることができるため、オプション追加や仕様変更によって予算が膨らむことがよくあります。
建築費用の主な内訳
注文住宅の総費用は、以下のような要素で構成されます。
- 本体工事費(約60~70%): 建物そのものを建てるための費用(基礎工事・構造・内装・設備など)
- 付帯工事費(約20~30%): 外構工事(庭・フェンス・駐車場)、地盤改良、上下水道の引き込みなど
- 諸費用(約5~10%): 設計料、住宅ローン手数料、登記費用、火災保険など
このように、本体工事費以外にも多くの費用が発生するため、初めに提示された建築費用だけを見て予算を決めるのは危険です。特に、土地の地盤改良や外構工事は見落とされがちなポイントなので、事前に詳細な見積もりを確認することが大切です。
コストアップの要因
注文住宅のコストが上がる主な要因には、以下のようなものがあります。
- こだわりの仕様やデザイン
- 高級な外壁材(タイル張りなど)を選ぶ
- 無垢材や高級フローリングを採用する
- 造作家具やオーダーメイドのキッチンを導入する
- 住宅性能の向上
- 高気密・高断熱仕様(ZEH住宅など)
- 耐震性を強化する(免震・制震構造の導入)
- 太陽光発電や蓄電池を搭載する
- 間取りや設備の充実
- 吹き抜けやスキップフロアを採用する
- 広いリビングや開放的な間取りにする
- トイレや洗面所を複数設置する
このように、施主のこだわりが増えるほどコストは高くなるため、予算と相談しながら慎重に選択することが重要です。
コストを抑えるための工夫(仕様調整・補助金活用)
注文住宅のコストを抑えるためには、いくつかの工夫が必要です。予算内で理想の住まいを実現するためには、優先順位を明確にし、必要な部分と削れる部分を見極めることが大切です。
仕様の調整でコストダウン
- 設備のグレードを適切に選ぶ
高級なシステムキッチンやバスルームを選ぶと費用が大幅に増えます。標準仕様でも十分な機能がある場合は、無理にグレードを上げないようにしましょう。 - 間取りの工夫
家の形状をシンプルにすることで、建築コストを抑えることができます。凹凸の多い間取りは施工コストが高くなるため、なるべく四角形に近い設計を意識すると良いでしょう。 - 建材の選択
無垢材や天然石などの高級素材は魅力的ですが、コストを抑えたい場合は、フローリングを合板にするなど、代替の建材を選ぶことで価格を下げることができます。
補助金や税制優遇の活用
- ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金
高断熱・高気密の住宅に太陽光発電を導入すると、国や自治体から補助金を受けられる可能性があります。 - 長期優良住宅の認定
長期優良住宅に認定されると、住宅ローン控除や固定資産税の軽減措置が適用され、ランニングコストを抑えることができます。 - 地域ごとの補助金制度
各自治体で独自の住宅取得支援制度を設けている場合があるため、事前に調べて活用しましょう。
注文住宅は、建売住宅に比べてコストが高くなる傾向がありますが、仕様の調整や補助金の活用によって、予算内で理想の家を建てることが可能です。慎重に計画を立て、納得のいく家づくりを実現しましょう。
10. 注文住宅のデメリット④建築後のメンテナンスや維持費がかかる
注文住宅はメンテナンス費用がかかる理由
注文住宅は自由に設計できるため、自分のこだわりを詰め込んだ家づくりができますが、その分、建築後のメンテナンス費用がかかることも考慮しなければなりません。建売住宅と異なり、独自の仕様や特注の設備を導入した場合、それらのメンテナンスや修理には専門の技術や特定の部品が必要となることが多く、一般的な住宅よりも維持費が高くなることがあります。
例えば、注文住宅では外壁の素材を自由に選べるため、タイル張りや天然木の外壁を採用するケースもあります。しかし、天然木の外壁は美しい風合いが魅力的ですが、定期的な塗装や防腐処理が必要になります。また、高気密・高断熱仕様の住宅は快適な住環境を提供してくれますが、換気システムのフィルター清掃や交換など、維持管理が欠かせません。
このように、注文住宅は建築時のコストだけでなく、長期的なメンテナンス費用も考慮した上で計画することが重要です。
メンテナンス費用を抑える工夫
注文住宅のメンテナンス費用を抑えるためには、以下のような工夫が必要です。
耐久性の高い素材を選ぶ
注文住宅では、使用する建材を自由に選択できます。そのため、メンテナンスの負担を減らすためには、耐久性の高い素材を採用することがポイントになります。例えば、外壁には耐候性に優れた「ガルバリウム鋼板」や「樹脂サイディング」を使用することで、再塗装の頻度を減らすことができます。また、屋根材もスレートよりも「ガルバリウム鋼板」や「瓦」を選ぶことで、メンテナンスの周期を長くできます。
定期点検を活用する
多くのハウスメーカーや工務店では、建築後の定期点検サービスを提供しています。こうした点検を活用することで、早期に劣化や不具合を発見し、大掛かりな修繕を防ぐことができます。特に、雨漏りやシロアリ被害などは早めに対応することで修理費用を抑えることができます。
メンテナンス計画を立てる
注文住宅を長く快適に住み続けるためには、建築時点からメンテナンス計画を立てておくことが大切です。例えば、以下のようなスケジュールを組むことで、計画的な維持管理が可能になります。
- 5年ごとに:外壁や屋根の点検、シーリングの補修
- 10年ごとに:外壁の再塗装、給湯器の交換
- 20年ごとに:屋根の葺き替え、配管の交換
こうした長期的な視点でメンテナンス計画を立てることで、突発的な大規模修繕のリスクを抑え、コストを分散することができます。
注文住宅は、自由度が高い一方で、建築後のメンテナンスや維持費がかかるというデメリットがあります。しかし、耐久性の高い素材を選び、定期点検や計画的なメンテナンスを実施することで、長期的なコストを抑えることが可能です。建築時には、将来的な維持管理のことも考慮し、賢く家づくりを進めましょう。
有限会社ひかり不動産は、埼玉県美里町を中心に本庄市や児玉郡内の不動産の取り扱いと住宅建築を手掛ける創業50余年の地域密着企業です。土地や空家の買取りもお任せください。
住宅建築では、自然素材をふんだんに使用した注文住宅やリフォームを手掛けています。

投稿者プロフィール

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有限会社ひかり不動産 代表取締役
宅地建物取引士 二級建築士
埼玉県美里町に生まれ育ち
1987年~1990年:住宅建築・不動産会社勤務
1990年~:有限会社ひかり不動産
2000年~現在:有限会社ひかり不動産 代表取締役
不動産・住宅建築業界一筋で業界歴35年超のベテラン
長年の経験と今まで培ってきた事 そして、こだわりのある
「自然素材の家づくり」について皆様にお伝えします
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